ElastiCache
1. サービス概要¶
Amazon ElastiCache は、AWS が提供するフルマネージドのインメモリデータストアサービスである。
このサービスを利用することで、頻繁にアクセスされるデータをメモリにキャッシュすることで、アプリケーションの応答速度を向上させ、データベースへの負荷を軽減できる。
ElastiCache は、Redis と Memcached の 2 つのエンジンをサポートしている。
主なユースケースとして、
- ウェブアプリケーションのセッション管理
- リアルタイム分析
- リーダーボード
- API キャッシュ
- データベースのホットデータキャッシュ
などが挙げられる。
2. 主な特徴と機能¶
2.1 Redis と Memcached のサポート¶
ElastiCache は、Redis と Memcached の 2 つの人気のあるインメモリデータストアエンジンをサポートしている。
これにより、アプリケーションの要件に応じて最適なエンジンを選択できる。
- Redis: 複雑なデータ構造(リスト、セット、ハッシュなど)や Pub/Sub 機能をサポート。
- Memcached: シンプルなキーバリューストアで、高スループットなキャッシュに最適。
2.2 フルマネージドサービス¶
インフラのプロビジョニング、スケーリング、パッチ適用、バックアップなどの運用管理は AWS が自動で行う。
これにより、開発者はデータベースの運用管理に煩わされることなく、アプリケーション開発に集中できる。
2.3 スケーラビリティ¶
ElastiCache は、ストレージとコンピューティングリソースを個別にスケールできるため、アプリケーションの需要に合わせて柔軟にリソースを調整できる。
水平スケーリング(ノード数の増減)と垂直スケーリング(インスタンスタイプの変更)をサポートしている。
2.4 高い可用性¶
ElastiCache は、複数のアベイラビリティーゾーンにデータを分散して保存し、自動的にフェイルオーバーを処理する。
これにより、高い可用性を実現し、システムのダウンタイムを最小限に抑える。
2.5 セキュリティ¶
ElastiCache は、データの暗号化、アクセス制御、ネットワーク分離などのセキュリティ機能を提供する。
IAM によるアクセス制御、転送中のデータ暗号化、保存中のデータ暗号化、VPC 内でのプライベート接続をサポートしている。
- IAM 連携: AWS IAM を使用してアクセス制御と権限管理。
- データ暗号化: 転送中および保存中のデータを暗号化。
- VPC サポート: Amazon VPC 内でのプライベート接続。
2.6 バックアップと復元¶
ElastiCache は、自動バックアップ機能を提供しており、データを定期的にバックアップできる。
必要に応じて、バックアップからデータを復元できる。
2.7 統合性¶
ElastiCache は、AWS の他のサービス(Amazon EC2, Amazon ECS, AWS Lambda など)と統合されており、様々なアプリケーションアーキテクチャに対応できる。
AWS CloudWatch と連携してモニタリングを行うことができる。
3. アーキテクチャおよび技術要素¶
- クライアントアプリケーションは、ElastiCache に接続し、データの読み書きを行う。
- ElastiCache は、指定されたエンジン(Redis または Memcached)に基づいてインメモリデータストアを管理。
- データは、必要に応じて複数ノードに分散して保存。
- 読み取りリクエストは、キャッシュから応答。
- 書き込みリクエストは、キャッシュにデータを保存。
ElastiCache は、フルマネージドサービスとして提供され、高い可用性、スケーラビリティ、セキュリティを内包している。
アプリケーションのパフォーマンスを向上させ、データベースへの負荷を軽減する。
4. セキュリティと認証・認可¶
セキュリティは ElastiCache の重要な要素である:
- IAM によるアクセス制御: AWS IAM を利用して、ElastiCache リソースへのアクセスを制御し、権限を管理。
- データ暗号化: 転送中および保存中のデータを暗号化し、データの機密性を保護。
- VPC サポート: Amazon VPC 内で ElastiCache を使用する場合、プライベート接続を確立。
- 認証: Redis の AUTH コマンドや Memcached の認証メカニズムを利用して、アクセスを制御。
- 監査ログ: AWS CloudTrail を利用して、API 呼び出しやリソース変更を記録。
これにより、データの安全性とコンプライアンスを確保できる。
5. 料金形態¶
Amazon ElastiCache の料金は主に以下に基づく:
- インスタンス料金: キャッシュノードの実行時間に応じた従量課金。
- データ転送料金: データ転送量に応じた従量課金。
- バックアップ料金: 自動バックアップに利用されるストレージ量に応じた課金。
6. よくあるアーキテクチャ・設計パターン¶
一般的なパターンは以下の通りである:
- ウェブアプリケーションのセッション管理: ユーザーセッションデータを Redis に格納し、アプリケーションの応答速度を向上。
- リアルタイム分析: リアルタイムデータを Memcached にキャッシュし、高速なデータ分析を実現。
- リーダーボード: ゲームアプリケーションのランキングデータを Redis に格納し、高速なランキング表示を実現。
- API キャッシュ: API レスポンスを Memcached にキャッシュし、API サーバーへの負荷を軽減。
- データベースのホットデータキャッシュ: データベースのホットデータを Redis にキャッシュし、データベースへの負荷を軽減。
7. 設定・デプロイ手順(ハンズオン例)¶
- AWS コンソールで ElastiCache クラスタを作成(Redis または Memcached)。
- EC2 インスタンスから ElastiCache クラスタに接続。
- キャッシュにデータを格納し、キャッシュからデータを取得。
- 必要に応じて、スケーリングポリシーを設定し、スケールアップ/スケールダウンを実行。
- CloudWatch でパフォーマンスメトリクスを監視。
8. 試験で問われやすいポイント¶
8.1 Redis と Memcached のサポート¶
- Redis の特徴: 複雑なデータ構造、Pub/Sub 機能について理解。
- Memcached の特徴: シンプルなキーバリューストア、高スループットについて理解。
- 使い分け: アプリケーションの要件に応じて適切なエンジンを選択する方法を理解。
8.2 フルマネージドサービス¶
- 運用管理: インフラのプロビジョニング、スケーリング、パッチ適用、バックアップなどが AWS に自動化されていることを理解。
- 開発への集中: 開発者がデータベース運用に煩わされることなく、アプリケーション開発に集中できることを理解。
8.3 スケーラビリティ¶
- 水平スケーリング: ノード数を増減する方法について理解。
- 垂直スケーリング: インスタンスタイプを変更する方法について理解。
- 柔軟なスケーリング: アプリケーションの需要に合わせてリソースを調整する方法を理解。
8.4 高い可用性¶
- マルチ AZ: 複数のアベイラビリティーゾーンにデータを分散して保存する方法を理解。
- 自動フェイルオーバー: 自動フェイルオーバー機能で高い可用性を実現する方法を理解。
8.5 セキュリティ¶
- IAM: IAM によるアクセス制御と権限管理について理解。
- データ暗号化: 転送中および保存中のデータを暗号化することについて理解。
- VPC サポート: VPC 内でのプライベート接続について理解。
- 認証: Redis の AUTH コマンドや Memcached の認証メカニズムについて理解。
8.6 料金体系¶
- インスタンス料金: キャッシュノードの実行時間による従量課金について理解。
- データ転送料金: データ転送量による従量課金について理解。
- バックアップ料金: 自動バックアップに利用されるストレージ量による課金について理解。
8.7 類似・関連サービスとの比較¶
- Amazon DynamoDB Accelerator (DAX): DynamoDB のキャッシュに特化。ElastiCache はより汎用的なキャッシュサービス。
- Redis Enterprise Cloud: Redis のフルマネージドサービス。ElastiCache は AWS プラットフォームに統合されたサービス。
8.8 試験で頻出となる具体的な問われ方と答え¶
- Q: Amazon ElastiCache の主な用途は?
- A: 頻繁にアクセスされるデータをメモリにキャッシュし、アプリケーションの応答速度を向上させること。
- Q: ElastiCache がサポートするエンジンは?
- A: Redis と Memcached。
- Q: Redis と Memcached の違いは?
- A: Redis は複雑なデータ構造、Memcached はシンプルなキーバリューストア。
- Q: ElastiCache のスケーリング方法の種類は?
- A: 水平スケーリングと垂直スケーリング。
- Q: ElastiCache のセキュリティ対策は?
- A: IAM によるアクセス制御、データ暗号化、VPC サポートなど。
- Q: ElastiCache の料金体系は?
- A: インスタンス料金、データ転送料金、バックアップ料金に基づく従量課金。
- Q: ElastiCache と DAX の違いは?
- A: DAX は DynamoDB に特化、ElastiCache は汎用的なキャッシュサービス。