AWS PrivateLink
1. サービス概要¶
AWS PrivateLink は、AWS が提供するサービスで、VPC (Virtual Private Cloud) と AWS サービスまたは他の AWS アカウントでホストされているサービスとの間を、パブリックインターネットを経由せずにプライベートに接続できる。
PrivateLink を利用することで、VPC 内のリソースから AWS サービスへのアクセスを安全に行え、インターネット上の脅威から保護することができる。
また、AWS Direct Connect を使用してオンプレミス環境から AWS サービスへ、PrivateLink 経由で接続することも可能である。
主なユースケースとして、
- VPC 内からの AWS サービスへの安全なアクセス
- 異なる VPC 間でのプライベート接続
- オンプレミス環境からの AWS サービスへのセキュアな接続
などが挙げられる。
2. 主な特徴と機能¶
2.1 プライベート接続¶
PrivateLink は、パブリックインターネットを経由せずに、AWS のネットワーク内でプライベートな接続を確立する。
これにより、データがインターネットに晒されるリスクを軽減できる。
2.2 ネットワークアドレスの重複回避¶
異なる VPC 間で IP アドレスが重複していても、PrivateLink を使用することで、ネットワークアドレスの競合を回避できる。
これにより、複雑なネットワーク構成でもセキュアな通信が可能である。
2.3 簡単な設定¶
VPC エンドポイントを作成し、AWS サービスを選択するだけで、簡単に PrivateLink を設定できる。
複雑なルーティング設定やネットワーク構成は必要ありません。
2.4 幅広い AWS サービスのサポート¶
Amazon S3, Amazon DynamoDB, Amazon SNS, Amazon SQS, AWS KMS など、多くの AWS サービスが PrivateLink をサポートしている。
また、AWS Marketplace で提供されるサードパーティ製のサービスも PrivateLink に対応している。
2.5 オンプレミスからの接続¶
AWS Direct Connect と組み合わせることで、オンプレミス環境から AWS サービスへ、PrivateLink 経由で安全に接続できる。
これにより、ハイブリッド環境でのセキュアなデータ転送が可能である。
2.6 セキュリティ¶
PrivateLink は、データが AWS のネットワーク内で転送されるため、インターネット上の脅威から保護される。
VPC セキュリティグループやネットワーク ACL を使用して、アクセス制御を強化できる。
2.7 スケーラビリティと可用性¶
PrivateLink は、スケーラブルで可用性の高いインフラストラクチャ上で動作する。
これにより、大量のトラフィックにも対応でき、サービスの可用性を確保できる。
2.8 統合性¶
PrivateLink は、AWS の他のサービス (VPC, Route 53, Security Hub など) と統合されており、既存の AWS 環境に簡単に組み込むことができる。
CloudTrail を利用して、PrivateLink エンドポイントの利用状況を監査できる。
3. アーキテクチャおよび技術要素¶
- サービスプロバイダーは、Network Load Balancer (NLB) の背後にサービスを公開し、VPC エンドポイントサービスを作成。
- サービスコンシューマーは、VPC エンドポイントを作成し、サービスプロバイダーが公開したサービスに接続。
- トラフィックは、VPC 内のプライベート IP アドレスを介して、AWS ネットワーク内でルーティング。
- インターネットを経由せずに、VPC 間、またはオンプレミスと AWS 間で通信。
PrivateLink は、VPC エンドポイントと VPC エンドポイントサービスを利用して、プライベートな接続を確立する。
これにより、パブリックインターネットを経由せずに安全な通信を実現する。
4. セキュリティと認証・認可¶
セキュリティは PrivateLink の重要な要素である:
- IAM によるアクセス制御: AWS IAM を利用して、VPC エンドポイントやエンドポイントサービスへのアクセスを制御し、権限を管理。
- VPC セキュリティグループ: VPC セキュリティグループを利用して、VPC エンドポイントへのトラフィックを制御。
- ネットワーク ACL: ネットワーク ACL を利用して、サブネットレベルでのアクセス制御を設定。
- データ暗号化: PrivateLink を介して転送されるデータは、TLS で暗号化。
- 監査ログ: AWS CloudTrail を利用して、API 呼び出しやリソース変更を記録。
これにより、データの安全性とコンプライアンスを確保できる。
5. 料金形態¶
AWS PrivateLink の料金は主に以下に基づく:
- VPC エンドポイント時間: VPC エンドポイントがアクティブな時間に応じた課金。
- データ処理量: VPC エンドポイントを介して処理されるデータ量に応じた課金。
6. よくあるアーキテクチャ・設計パターン¶
一般的なパターンは以下の通りである:
- VPC 内からの AWS サービスへのアクセス: VPC 内の EC2 インスタンスや Lambda 関数から、Amazon S3 や DynamoDB などの AWS サービスへ、PrivateLink 経由で安全にアクセス。
- 異なる VPC 間でのプライベート接続: 異なる AWS アカウントやリージョンの VPC 間で、PrivateLink を使用してプライベート接続を確立。
- オンプレミスからの AWS サービスへのセキュアな接続: AWS Direct Connect と PrivateLink を組み合わせて、オンプレミス環境から AWS サービスへ安全に接続。
- サードパーティサービスとのプライベート接続: AWS Marketplace で提供されるサードパーティ製のサービスへ、PrivateLink 経由でプライベートに接続。
- マイクロサービス間のセキュアな通信: 複数のマイクロサービス間の通信を、PrivateLink を使用してセキュアに実施。
7. 設定・デプロイ手順 (ハンズオン例)¶
- VPC エンドポイントサービスを作成し、サービスを公開。
- VPC エンドポイントを作成し、公開されたサービスに接続。
- VPC セキュリティグループやネットワーク ACL を設定し、アクセス制御を定義。
- VPC 内のリソースから、PrivateLink 経由でサービスにアクセスできることを確認。
- CloudWatch で接続状況やトラフィック量を監視。
8. 試験で問われやすいポイント¶
8.1 プライベート接続¶
- インターネットバイパス: パブリックインターネットを経由せずに、AWS ネットワーク内でプライベートな接続を確立できることを理解。
- セキュリティ向上: データがインターネットに晒されるリスクを軽減できることを理解。
8.2 ネットワークアドレスの重複回避¶
- IP アドレスの競合: 異なる VPC 間で IP アドレスが重複しても、PrivateLink で回避できることを理解。
- セキュアな通信: 複雑なネットワーク構成でもセキュアな通信が可能であることを理解。
8.3 簡単な設定¶
- VPC エンドポイント: VPC エンドポイントを作成するだけで、PrivateLink を設定できることを理解。
- 簡略化: 複雑なルーティング設定やネットワーク構成が不要であることを理解。
8.4 料金体系¶
- VPC エンドポイント時間: VPC エンドポイントがアクティブな時間による課金を理解。
- データ処理量: VPC エンドポイントを介して処理されるデータ量による課金を理解。
8.5 類似・関連サービスとの比較¶
- VPC Peering: VPC 間接続。PrivateLink は VPC と AWS サービス間、または異なるアカウントの VPC 間の接続に特化。
- AWS Direct Connect: オンプレミスと AWS 間の専用線接続。PrivateLink はサービスへのプライベート接続に特化。
8.6 試験で頻出となる具体的な問われ方と答え¶
- Q: AWS PrivateLink の主な用途は?
- A: VPC と AWS サービス間、または異なるアカウントの VPC 間をプライベートに接続すること。
- Q: PrivateLink はインターネットを経由する?
- A: いいえ、プライベートな AWS ネットワーク内で接続。
- Q: PrivateLink でネットワークアドレスの重複はどうなる?
- A: PrivateLink でアドレスの競合を回避。
- Q: PrivateLink の設定で必要なものは?
- A: VPC エンドポイント。
- Q: PrivateLink のセキュリティ対策は?
- A: VPC セキュリティグループ、ネットワーク ACL、TLS 暗号化など。
- Q: PrivateLink の料金体系は?
- A: VPC エンドポイント時間とデータ処理量に基づいた従量課金。
- Q: PrivateLink と VPC Peering の違いは?
- A: VPC Peering は VPC 間接続、PrivateLink はサービスへのプライベート接続に特化。